仮設住宅
台風が接近している10/21・22に東北宮城県仙台市の被災地に行ってきました。未だに仮設住宅が解体されず、ちらほら部屋の明かりが見える仮設住宅が有ります。未だに安住の地を得ることができない住民が居る事に心が痛みます。雨が降り続く日は一層、悲しみを感じてしまいます。
復興住宅(長屋形式)
長屋形式の2世帯で一棟の形式で共用の庭とプライベ-トの敷地をうまく工夫して団地を形成しています。道路と建設地だけの区分けをしていない点が優れています。住む人たちの側に立って計画し、実現できていることが素晴らしい。住民+行政+建築家が意見を出し合いプロジェクトを進めたこと、大変な努力が必要であったであろう。
復興住宅(マンション形式)
単純にマンションを建設するのではなく、プライベ-トな場所、公共的な場所をうまく配置し建てられている。このような都会的なRC造のコンクリ-ト打ち放しマンション形式の復興住宅が地方で必要だったのか少し疑問が残る建築である。
岩沼みんなの家(設計:伊藤豊雄)
震災発生直後、街づくりや住民の心の拠り所となる復興のための拠点施設「みんなの家」各地に作られている復興住宅の地域内に必ず1施設作られている。あのアカデミックな建築を設計する伊藤豊雄氏にしてはどこかボッカ的な雰囲気の建築で安心した。
防波堤
海と町を分断する防波堤、巨額な国家予算を投じあっと言う間に作られた。雨が降り霞む遠景に突き刺さるように延々と伸びている。美しいい海が自慢の街にこの国家プロジェクトは住民の意見を無視して誰がGOサインを出したのか非常に無情である。
今回の視察で感じたこと。マスコミなどの報道で順調に復興が進んでいるかのように報道されていますが、全然違っていました。コンクリ--ト製の防波堤は代表的な物で何か得体のしれない巨大な力が住民の意見を無視してどんどん進んでいる。とは言うものの一部では有るが地域住民と行政、建築家が協働し街づくりを地道に進めている部分もあり、非常に心強く感じた。まだまだ先は長いけれど頑張ってほしい。「何か手伝うことができれば・・・」と改めて思う視察でした。
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